オペラ・レポート Opera Report
バイエルン国立歌劇場 「ジークフリート」 2012年6月 (M.T様)
T様のオペラの旅も、終わりを迎えます。
今回も大変な御尽力を頂き、おかげ様で全16日間で8回の演奏会を聴くことが出来ました。ありがとうございました(ちょっと欲張り過ぎたかと反省しております)。
バッハの聖地であるライプツッヒを訪ねることは長年の夢でしたが、今年のライプツッヒ・バッハ祭に鈴木雅明指揮=バッハ・コレギウム・ジャパンが招かれ、バッハのお墓がある聖トマス教会でマタイ受難曲を演奏するというので、この期を逃しては・・・と、ムリして夫婦で出掛けました。
今回の旅程は、ミュンヘンから入りライプチヒ・ワイマール・ドレスデンを経て最後がベルリンでしたが、これがちょうど昔のバイエルン・ザクセン・テューリンゲン・プロイセンの各領邦間の移動と重なったためでしょう、それぞれの街の雰囲気とその地の音楽の響きが微妙に異なるのには驚きました。一口にドイツとは言っても、それぞれが長い歴史と独自の異なる文化を持つ地域なので当然なのでしょうが、改めてドイツ連邦共和国の「連邦」の持つ意味を感じた次第でした。
三度目のミュンヘンでしたが、話題の指輪四部作の新演出上演があり、チケット入手困難で当日売・立見を覚悟しておりましたが、溝口様の大変な御努力のおかげでジークフリートを見ることが出来ました。このバイエルン国立歌劇場の、地味ながら一切余計な華美さのない音楽的雰囲気・聴衆は実に素晴らしいですね。新演出の現代的舞台には多少疑問もありました(本来7名のみの登場人物が、今回はバレエも含めて何と数十名が登場!)が、さすがオケの重厚な響きは見事で、多少遅めのテンポでこの長帳場を振り切ったケント・ナガノへには、満場から盛大なブラヴォーが送られておりました。
- Richard Wagner
- ≪Siegfried≫
- Musikalische Leitung Kent Nagano
- Siegfried: Lance Ryan
- Mime: Wolfgang Ablinger-Sperrhacke
- Wanderer: homas J.Mayer
- Alberich: Wolfgang Koch
- Fafner: Rafal SiweekS
- Erda: Jill Grove
- Brunnhilde: Catherine Naglestad
- Bayerisches Staatsorchester
T様、超大作なレポートをお寄せ頂きありがとうございました。毎年ムジーク・ライゼン(音楽の旅)を楽しんで頂けて、嬉しく思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。